焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
歩くスピードが速くて足がもつれそうになる中、ふと振り返り見ると陸人はまだ呆然と立ち尽くしていた。

どうして陸人が今さら復縁を迫ってきたのか理解できない。どう考えても彼は私のことを好きじゃないはず。

本当にずっと好きで後悔してくれていたなら、もっと早く自分で行動に移していたはずでしょ? 私たち、お互いの友達は繋がっていたのだから。

だけどさすがにもうわかってくれたよね? それにさっき……。

織田くんが陸人に言ってくれた言葉を思い出すと、胸が鳴る。

『悪いけど滝本はもう俺のだから』

何度も頭の中でリピートされていく。それほど嬉しかった。

それと同時に実感する。私……織田くんのことが好きなんだって。

私の手を引き前を歩く彼に、ときめきが止まらない。

少し進んだところに公園があり、彼はそこに入るとすぐに私の手を離した。

「悪い、急に連れ出したりして」

「えっ?」

どうして謝るの? だって織田くんは私を助けてくれたのだから。
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