焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
それを言う前に彼がまた口を開く。

「だけど、どうしても許せなかったんだ」

熱い眼差しを向け、再び私の手を取る彼に、ドキッとなる。けれど目が離せずにいると、織田くんは驚きの行動に出る。

「さっき、志賀に触られたのは腕だけ?」

「えっ? あ、うん」

どうしてそんなことを聞くんだろう。戸惑いながらも頷くと、織田くんは私が着ているジャケットの袖を捲り始めた。

街灯に照らし出された露わになった私の腕には、さっき陸人に強く掴まれた跡が赤く残っていた。

すると織田くんは、顔を寄せて私の腕にそっとキスを落とす。

「お、織田くん!?」

まさかの行為にかぁっと身体中が熱くなる中、彼はゆっくりと顔を上げた。

「……消毒」

消毒って……!

熱が一気に顔にも帯びていく。きっと今の私の顔、茹でタコのように真っ赤に違いない。そんな私を見た織田くんは笑みを零し、優しく赤くなっている私の腕を撫でた。
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