焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「助けてくれて本当に嬉しかった。それに助けてくれた時の織田くん、まるでヒーローみたいにカッコよかったよ」

気にしてほしくなくて、必死に言葉を並べると話を聞いた織田くんは目を見開いた後、照れ臭そうに腕で顔を覆った。

「そういうの、やめてくれ。……嬉しくて顔がニヤけるから」

「織田くん……」

嬉しくて顔がニヤけるだなんて――。

たった一言に“嬉しい”と言ってもらえて、私まで嬉しくなる。

でも織田くんは再会してからずっと、私を幸せにする言葉をたくさんくれた。

私の気持ちは曖昧なままで、昔の失恋をズルズル引きずる、傍から見たら面倒な人間だ。

それなのに私の話を聞いてくれて、何度だって好きって伝え続けるよって言ってくれた。

変わらない気持ちなんてない。人の気持ちはいつか変わるものだと思っていたけれど、そうじゃないのかもしれないと信じてみたくなった。

織田くんとなら、変わらない気持ちもあるんじゃないかと。だって彼と恋愛をしたら毎日が幸せで、ますます気持ちは固くなる気がするから。
< 148 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop