焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「たしかにそうだな」

「でしょ? ……でもまたいつかしたいね。今度はしっかりお揃いにして」

「……あぁ。じゃあ約束。絶対いつかしよう」

「うん!」

そんな話をしながら午後もまた激しいアトラクションを乗って楽しんでいった。


そしてひとしきり楽しんだ頃、時刻は十六時になろうとしていた。日が落ちるのが早いから、そろそろ夕陽が顔を見せる時間だ。

「どうしようか? そろそろ帰る?」

織田くんも私も明日も仕事があるし、今日は早めに帰った方がいいよね?

そう思い提案したものの、彼「滝本を連れていきたい場所があるんだ」と言う。

「ちょっと寄ってもいい?」

「もちろんいいけど……どこに行くの?」

手を繋いで出口に向かう途中に聞くと、彼は人差し指を立てた。

「それは秘密」

それ以上なにも教えてくれなかった織田くんが、私を連れて向かった先。そこはアミューズメントパークのすぐ隣にある海岸だった。

「うわぁ、綺麗……」

海岸には人がおらず、砂浜から海にかけて夕陽のオレンジ色が伸びていて目を奪われる。
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