焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
そして織田くんと気持ちが通じ合った幸せを知ってしまった今、この幸せを失うことが怖くてたまらない。

彼が私に伝えてくれた気持ち以上に、私も彼に自分の気持ちを伝えていきたい。それは永遠にずっと――。

それからふたりで夕陽が沈む海を眺め、手を繋いで帰路に着いた。

朝、待ち合わせした駅に降りる頃、時刻は十九時を回っていた。改札口を抜けたらバイバイかと思うと寂しく思い始めた時、彼が聞いてきた。

「夕食、どうしようか?」

「えっ、夕食?」

「うん、どこかで食べて行こう」

お互い明日も仕事だし、てっきりバイバイだと思っていたから嬉しい。でも今からお店を探しても時間が時間だし、どこも混雑しているよね?

せっかく一緒に居られる時間が勿体ない気がする。

「どうしようか、どこ行こうか」

改札口を抜けて立ち止まり、キョロキョロする織田くんに思い切って提案した。

「あの、もしよかったらうちで食べない? 私、なにか作るから」

「えっ……滝本の家で?」

「うん、どうかな」
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