焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
先にリビングへ小走りで向かい、本当に散らかっていないかチェックする。

朝、慌てて出てきたけれど、それなりに片付いていてホッと胸を撫で下ろした。

「滝本らしい部屋だな」

後からリビングに入ってきた織田くんは、興味深そうにキョロキョロと私の部屋を見回す。

ただ一緒にいたい一心で部屋に招いてしまったけれど、自分が普段生活している部屋を見られるって、こんなに恥ずかしいんだ。

「えっと、ゆっくりテレビでも見ていて」

彼にテレビのリモコンを渡して、そそくさとキッチンへ逃げ込む。

エプロンをつけて手を洗い、冷蔵庫の中から食材を出していると、いつの間にかキッチンに織田くんが入ってきた。

「織田くん、見られていると非常に作りづらいのですが……」

チラッと彼を見ると目が合う。すると織田くんはニッコリ笑った。

「邪魔はしないよ」

そう言って隅の壁に寄りかかったけれど、いくら邪魔しないからと言って見られていてはやりづらい。

「やっぱりリビングで……」
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