焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「住んでいるのは敷地内にある寮だよ。四人部屋で生活している。食事は三食食堂で食べているよ」

「寮生活……そっか」

そうだよね、自衛隊員だもの。緊急時にすぐいけるように敷地内に住んでいるんだ。

今さらながら知る話に、もっと私が知らないことがたくさんありそうな気がしてきた。

「もしかして休日にこうして外出するにも、許可とかが必要なの?」

「あぁ、もちろん。外出願いを出せば必ず許可が下りるわけではないんだ。緊急時に対応できる隊員数が寮に待機していないといけないから。でも許可が下りれば、翌朝しっかり出勤すれば自由に外で過ごすことができる」

「そうなんだ」

初めて知った。外出したいと思っても、必ずしも誰もができるわけじゃないんだ。

改めて織田くんの仕事が、私たちの仕事とは違うことを知る。

彼は国家公務員であり、なにかあれば国を守るために立ち向かわなくてはいけない人。時には危険な場所にも行かなくてはいけないんだ。

今、この時だってきっと大きな自然災害や不測の事態が発生した場合、駆けつけないといけないんだよね。
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