焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「あの……」

どうしよう、帰ってほしくなくて引き留めちゃったけど、この後なんて言ったらいいのかわからない。

だってワガママだよね? 明日からまた過酷な仕事が待っている彼を引き留めようとしているのだから。

でも、やっぱりもう少し一緒にいたい。またしばらく会えなくなるかもしれないんでしょ? だったら私……!

彼の服を掴む手が強まる。すると頭上から優しい声色が降ってきた。

「滝本、言いたいことがあるなら聞かせて。……さっき言っただろ? 俺にはなんでも話してほしいって」

その声に顔を上げると、微笑み私を見つめる彼と目が合う。

その瞳に導かれるように素直な想いを口にした。

「もう少し、織田くんと一緒にいたい……。だって織田くん、またしばらく会えなくなるんでしょ?」

「滝本……」

ポツリと私の名前を口にすると、織田くんは悩ましげに表情を歪めた。そしてわつぃの両肩を掴み、訴えるように言う。

「それ、どういう意味で言っているかちゃんとわかってる……?」
< 174 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop