焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
自分から腕を伸ばすと答えるように彼はギュッと私を抱きしめた。圧し掛かる彼の重みに愛しさが込み上がる。

そして自分の心臓の早さとシンクロするように、織田くんの心臓も速く脈打っているのが、衣服を通して伝わってきた。

あれ……もしかして織田くんも私と同じ? 緊張しているの?

顔を動かして織田くんの顔を見ようとしていると、ゆっくりと離れていく身体。そして彼はどこか不安げに私を見つめた。

「滝本、俺……こういうことするの初めてだけど、だからこそするのはこの先お前とだけって決めているから」

「えっ、あっ……」

彼のカミングアウトにアワアワしてしまう。

「でもあの……私も久しぶり過ぎて、不安で……。あっ! 私ももちろん、この先織田くんとだけだから!!」

テンパりながらも伝えると、お互い顔を見合わせ笑ってしまった。

「俺たち、なんて宣言し合っているんだろうな」

「本当だよ」

ひとしきり笑い合った後、どちらからともなく唇を重ね合う。何度を重ねていくたびに深みを増し、息苦しさを覚えていく。
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