焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「あのさ、杏。さっきも言ったけど本当に迷惑じゃないからね? 私たち、友達でしょ? 妙な気遣いは無用! 私がいいって言うまで、家に帰っちゃだめだからね!?」

最後にみどりはまるで悪さをした小さな子供に言い聞かせるように、「わかった!?」と言う。

「わ、わかった」

するとみどりは自分の席に戻り、ビールを煽りながら「もう二度と同じことを言わせないでよ」と文句を言う。

それがすごくみどりらしくて、私は心から「ありがとう」と彼女に伝えた。

「やだ、なによ急にそんなしみじみ言わないでよ」

どこか照れくさそうに早口で言うみどりに、想いを告げた。

「本当にいつもみどりには感謝しているの。……今回だって、真っ先にみどりの顔が浮かんじゃったし。そばにいてくれて、力になってくれて本当にありがとう」

「杏……」

面と向かって言うのはちょっぴり照れ臭くもあるけれど、すべて本音だから。私がいつも抱いている感情だから。

「みどりがピンチの時は、私が全力で助けるし守るからちゃんと話してよ?」

にっこり笑って言うと、みどりもまた笑う。
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