焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「当たり前でしょ? 杏とは違って私は全力で頼るからね?」

「わかったよ」

いつも私のことを助けてくれるみどりになにかあったら、私が絶対に守るからね。

その後、お互いの恋愛の話や仕事の話で夜遅くまで盛り上がった。



「うっ……頭痛い」

「私も……」

次の日。ふたりして仲良く二日酔いになり笑ってしまう。

重い身体を引きずってキッチンに立ち、みどりと簡単な朝食を作る。すると目玉焼きを作りながら彼女は思い出したように聞いてきた。

「あ、ねぇ。今回のこと織田さんには報告したの?」

「……ううん」

サラダを盛り付けながら歯切れの悪い返事をする。

織田くんには、陸人から何度も電話がかかってきていることを話していない。それになにより、何通か送ったメッセ―ジはいまだに未読のままだから。

「航海中だし、連絡が取れないから……」

「そっか。そうだよね、連絡も取れないほど遠くにいる織田さんに話したら、ただ心配をかけちゃうだけだよね。……私が織田さんだったら、杏がピンチの時、駆けつけられないのはつらいから」
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