焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「だから振られちゃったんだと思う。……他に好きな子ができたからって」

きっと他にできた好きな子は、浮気相手だと思う。そこまで私には追及することはできなかったけれど、その子しかいないよね。

「それから情けないことに恋愛から遠ざかっていて……。今日は友達に引っ張られてきたの。まだ恋愛に前向きになれそうにないけど、でも今日は来てよかった。こうして織田くんにも久しぶりに会うことができたし」

徐々に織田くんの表情が曇っていくものだから、いつもより饒舌になる。でも織田くんにこうして会うことができてよかったと思っているのは本当。

高校を卒業してから、大きな同窓会が二十五歳の時に。そして内輪だけのミニ同窓会は年に数回開催されている。

陸人が来るかもしれないと思うと、ずっと参加できずにいた。

まだこの先もしばらくは参加できそうにないから、ここで織田くんに会えて、織田くんらしい職種に就いて頑張っているんだってことが知れてよかった。

私もまだまだ負けないように仕事を頑張ろうって思えるから。
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