焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「大丈夫です、そんなっ……」

「いいから。……なにかあってからでは遅いだろ? 部下の心配くらい上司としてさせてくれ」

「門脇部長……」

どこか彼は苦しげで、私を誰かに重ねて見ているよう。

「朝も会社の最寄り駅で待ち合わせしよう。帰りだけではなく、朝ももしかしたら待ち伏せしているかもしれない」

「でも……」

その先に続く私のセリフが予想できたのか、門脇部長は「フッ」と笑った。

「遠慮は無用だ。お前の彼氏が戻ってくるまでは心配だから、そうさせてくれ」

これ以上門脇部長に迷惑かけたくないけど、でもまた陸人が会社前で待ち伏せしているかもしれない。

そう思うと怖くて、私は彼に「よろしくお願いします」と伝えた。

みどりのマンションに着くと、少しして彼女が急いで帰ってきてくれた。それを見届けて門脇部長は、帰っていった。
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