焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「織田くん……」

いつも通り、絵文字ひとつないメールを見て泣きそうになる。

帰ってきたんだ。それに今夜、会えるなんて――。

「あ、みどりと門脇部長に伝えないと」

急いでみどりに今日、織田くんが帰ってくること自宅に戻ること、荷物は後日取りに行くことを伝えた。

するとすぐに返信メッセージが届く。

【よかったね、杏。私も安心したよ。織田さんとゆっくり過ごしてきてね。もちろんあとでしっかり報告すること!】

「ありがとう、みどり……」

次にオフィス内を見回すものの、門脇部長の姿が見当たらない。外に食べに行っちゃったのかも。戻ってきたら伝えればいいよね。

そして肝心の織田くんに返信していないことに気づき、慌ててメッセージ文を打ちこんでいく。

【おかえりなさい。私も今日は早く帰るね。美味しい物、いっぱい用意して待っています】

もっともっと伝えたいことはあるけど、それは会った時にとっておこう。今日は絶対に定時で上がらないと。

残りのお弁当を急いで食べ終え、再び仕事に取りかかった。
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