焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
えっと……ちょっと待って。今、織田くんなんて言った?

混乱する私に織田くんは続けた。

「滝本はいつも明るくて元気で、クラスのムードメーカーだった。でも文化祭の実行委員を一緒にやってそれだけじゃない、一生懸命で優しくて思いやりのある子だってことを知ってさ。文化祭が終わっても、いつの間にか目で追うようになって、気づいたら好きになってた」

にわかには信じがたい話になんて言ったらいいのか、わからなくなる。

だって信じられる? クラスの人気者だった織田くんが、私のことを好きでいてくれたなんて……。

「嘘、本当に? ……冗談じゃなくて?」

思わず聞いてしまうと、織田君はクスリと笑った。

「嘘でも冗談でもない。本当だよ」

そう言われても、すぐには信じられない。

「だ、だって織田くん。全然そんな素振りなかったじゃない」

そうだよ、誰に対しても分け隔てなく接していて、それは私に対しても同じだった。

だけど織田くんは違うと言うように小さく首を横に振った。
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