焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「でも本当……杏が無事でよかったよ。だけど本当にいいの? 志賀のことを警察に突き出さなくても」
私の様子を窺いながら尋ねてきた彼女に、深く頷いた。
「うん、陸人もわかってくれたならそれでいい。……それにもう思い出したくないし、早く忘れたいの」
昨日から織田くんはずっとそばにいてくれたけど、やっぱりふとした瞬間に思い出してしまっていた。もう早く忘れたいのに……。
「ごめん、杏。わかったよ、もうなにも言わない。……杏の気持ちが落ち着くまでうちにいくらでもいてくれていいからね」
「ありがとう、みどり」
まだあの家にひとりでいられる自信がない。暗い玄関を見るとどうしても思い出してしまうから。
この日はみどりの部屋で、仲良く布団を敷いてふたりで眠りに就いた。
次の日、みどりと一緒に家を出て駅で別れ、電車に揺られて本社の最寄り駅で降りると改札口前には門脇部長の姿があった。
「おはよう、滝本」
「おはようございます。昨日はすみませんでした。急なお休みをいただいてしまい……」
すぐに謝ると彼は首を横に振る。
私の様子を窺いながら尋ねてきた彼女に、深く頷いた。
「うん、陸人もわかってくれたならそれでいい。……それにもう思い出したくないし、早く忘れたいの」
昨日から織田くんはずっとそばにいてくれたけど、やっぱりふとした瞬間に思い出してしまっていた。もう早く忘れたいのに……。
「ごめん、杏。わかったよ、もうなにも言わない。……杏の気持ちが落ち着くまでうちにいくらでもいてくれていいからね」
「ありがとう、みどり」
まだあの家にひとりでいられる自信がない。暗い玄関を見るとどうしても思い出してしまうから。
この日はみどりの部屋で、仲良く布団を敷いてふたりで眠りに就いた。
次の日、みどりと一緒に家を出て駅で別れ、電車に揺られて本社の最寄り駅で降りると改札口前には門脇部長の姿があった。
「おはよう、滝本」
「おはようございます。昨日はすみませんでした。急なお休みをいただいてしまい……」
すぐに謝ると彼は首を横に振る。