焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
努めて明るく伝えたものの、内心不安でいっぱいになる。

私の中で織田くんの存在が日に日に大きくなっていて、今はこうして電話で話をしたり、会おうと思えば会える距離いる。でもまた一歩海へ出てしまったら、会うことはもちろん、電話で話すこともメッセージのやり取りもできなくなってしまうのだから。

だけどそれが織田くんの仕事なんだ。これから先もずっと彼と一緒にいたいなら、しっかり受け入れないとだよね。

『悪い、滝本が大変な時に』

「なに言っているの? 私なら大丈夫だから気にしないで。……気をつけて行ってきてね」

もうこれ以上、彼に心配かけたくない。笑顔で送り出したい。

「あ、でも行く前に一度会えるかな?」

平気な姿を見せて安心して行ってきてほしい。その思いで聞いてみると、彼は『もちろん』と言う。

『滝本、明後日の夜空いてる? 外出許可が下りると思うんだ』

「本当? 私なら大丈夫」

仕事があっても頑張って終わらせるよ。
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