焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
『ならよかった。じゃあ明後日、仕事が終わったら滝本の会社に迎えに行くよ』

「え、会社に?」

大変じゃないのかな? だって明後日は織田くんも仕事でしょ?

『あぁ。俺が迎えに行きたいから。……あ、それと少しだけオシャレしてきて。美味しい物、食べに行こう』

「……うん」

嬉しい、楽しみ。織田くん、どこに連れていってくれるんだろう。

それから少しだけ話をして電話を切った後、たまらずスマホを胸の前でギュッと握りしめた。

「早く明後日にならないかな」

明後日はずっと笑顔で過ごそう。たくさん笑って元気なところをアピールして、織田くんを安心させたい。その思いでいっぱいだった。



そして迎えた約束の日。

残っている同僚に挨拶をして、はやる気持ちを抑え急いで玄関先へと向かう。

するとそこにはスーツ姿の織田くんの姿があった。

海上自衛隊の制服姿は見たことがあるけれど、スーツ姿を見るのは初めてで、つい少し離れた場所からまじまじと眺めてしまう。
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