焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
意味深なセリフにドキッとしたのも束の間、彼は私の手を取ると歩き出した。

「行こう、レストランを予約しているんだ」

そう言って胸を高鳴らせたままの私を連れて彼が向かった先は、あの婚活パーティーの会場だったホテルだった。

「ここ……」

「懐かしいだろ?」

唖然とする私に織田くんは得意気に言うと、スマートに私の腰に腕を回してエスコートしてくれた。

彼に導かれてレストランに入店し、美味しい料理の数々に舌鼓を打つ。

「美味しいね」

「あぁ」

幸せ。こうして好きな人と同じ時間を共に過ごすことが。それはもしかしたら。なかなか思うように会えないからこそなのかもしれない。

いつでも会える相手だったら、こうも会えるたびに幸せを感じることはできなかったかも。

そんなことを思いながらフルコースをいただき、最後に運ばれてきたのは珈琲とケーキ。

「どうぞ」

そっとテーブルに置かれたケーキはフルーツたっぷりのタルトだった。

「いただきます」
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