焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
こうして彼のぬくもりに包まれると落ち着き、不安が消えていく。

「むしろ心配なのは俺の方だよ。……俺、滝本のご両親に受け入れられたのか不安」

弱気な彼にクスリと笑ってしまった。

先日、私の実家を訪れてくれた織田くん。彼は心配しているけれど、うちの両親はえらく気に入っていた。

お父さんってば、息子ができる!と大喜びして、とっておきの日本酒を開けて織田くんに食べきれないほどの御馳走と共に、大判振る舞いしていたのだから。

お母さんも織田くんを一目見て気に入った! ってこっそり言っていたくらいだ。

だから織田くんが不安に思うことなんて、なにひとつない。

「大丈夫だよ、うちの両親こそ織田くんのことすっかり気に入っちゃったみたいだから」

「それならいいけど……」

いまだに不安げな彼。だけどジッと見つめると次第に表情も柔らかくなる。

「でも滝本がそう言うなら、信じるよ」
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