焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「滝本のそういう優しいところ、昔と全然変わっていないな。……こうして話を聞くと、ますます後悔するよ。こんなことなら、志賀から滝本を奪う気持ちで告白すればよかったって」

う、奪うって……! 優しくて穏やかな織田くんから出た言葉とは思えず、口をパクパクさせてしまう。

いや、でも織田くんが私のことを好きだったのは過去のことだし! 織田くんだって言っていたじゃない。

伝えなかったことを後悔しているって。それはつまり昔のことって意味でしょ? 今は違うんだから、こんなに取り乱すことない。……ないのに、だめだ。

心臓は驚くほど早く脈打っている。まるで壊れてしまいそうなほどに。

アタフタする私を見て彼はクスリと笑い、静かに放った。

「なぁ……志賀のせいでまだ恋愛には前向きになれそうにないのか?」

「う、うん」

戸惑いながらも答える。

すると織田くんは間髪入れず、耳を疑うことを言った。

「だったら俺と、久しぶりに恋愛してくれないか?」

「――えっ?」

俺と恋愛って……織田くんと?
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