焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「えぇー、大事な事でしょ? 一生に一度の新婚旅行だもの。これこそ彼を悩殺しないとでしょ!」

悩殺って……! みどりはなにを言っているの? 恥ずかしくないの?

口をパクパクさせる私の腕をがっちり掴み、スタスタと歩きだす。

「あ、ちょっとみどり!?」

私、買いたいなんて一言も言っていないんだけど!

「いいから行くよ! とびっきり可愛くてセクシーなものを、泊まる分しっかり選んであげるからね!」

すっかりノリノリのみどりに下着売り場に連行され、押し切られて宣言通り四泊分、四組の下着を購入する羽目になってしまった。


「勢いに負けて買っちゃったけど、どうしようこれ……」

みどりと駅で別れ、電車に揺られて彼と住む宿舎がある最寄り駅で降りて家路へと向かう中、ショップ袋を見てはため息が漏れる。

なんか新婚旅行のために下着を新調したなんて、気合い入りまくりって思われない?

どうしよう、引かれたりしたら。

やっぱりこれは持っていかないかな。……でもな、せっかくみどりが選んでくれたものだしな。
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