焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
今ではスキンケア・メイクバイヤーのメッセージグループを作り、度々情報交換などを通して交流を続けている。

もちろん本社で働く商品部の面々とも、しっかりコミュニケーションは取っている。……まぁ、会えた時のみだけど。


商品部に戻るといつものように、オフィス内はシンとしていた。

みんなそれぞれ商談や店舗作り、会議などで忙しく、全員がオフィス内に集まっていることなど一度もない。

だから業務連絡は専らメッセージグループだ。

私も来季の棚割り表を作成して、近くの数店舗を見にいかないと。

オフィスの奥にある給湯室で珈琲を淹れて、一息ついてからやろうと思い向かうと、廊下の方からバタバタと足音が聞こえてきた。

そして勢いよく開けられたドアの先にいたのは、なにやら血相を変えた我が商品部の部長、門脇(かどわき)俊也(としや)の姿があった。

「あ、門脇部長。お疲れ様です。……どうかされました?」

慌てた様子の彼に問うと、一目散に私の元へやって来てがっちり両肩を掴まれた。

「ちょ、ちょっと門脇部長!?」
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