焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「そうだった! 酷いじゃないか、仲間を裏切るとは」

「だからその仲間っていったいなんですか? 私は門脇部長となにかの同盟を結んだわけでも、仲間になったつもりもないのですが」

作業をしながら言うと、門脇部長は得意気に言った。

「滝本、俺が知らないとでも思って安心しているんだろ? 俺は知っているんだ。……というかついさっき見たんだ」

「だからなにをですか?」

勿体ぶる彼にちょっぴりイライラしながら尋ねると、門脇部長はニヤリと笑った。

「お前が海上自衛隊主催の婚活パーティーに行って、見事人気ナンバーワンの自衛官をゲットしたことをだよ」

「……っ! どうしてそれをっ!?」

思わず大きな声を上げた後に気づく。これではもう言い訳のしようがないと。

「やっぱり」と言うように勝ち誇った顔を見せる門脇部長に「ゴホン」と大きく咳払いをした。

「どこでそれを?」

オフィスには誰もいないとわかっていても、つい小声になる。だって婚活パーティーに参加したなんて知られたら恥ずかしいじゃない?
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