焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
どういう風の吹き回しもなにも……私自身が、どうしてあの時、了承してしまったのか今でも謎だったりするから答えに困る。

「それはプライベートなことなので、お答えいたしかねます」

丁寧にお断りすると、彼は面白くなさそうに顔をしかめた。

「なんだよ、俺とお前の仲だろ? 教えてくれてもいいのに」

「どういう仲ですか。ただの上司と部下です」

きっぱり言うと、彼は呆れたように深く息を吐いて立ち上がった。

「つれないなー、滝本は。どれ、俺も今度婚活パーティーに参加してみるかな。意外と運命の相手と出会えるかもしれないし」

そんな冗談を言いながら自分のデスクへ戻っていった。

彼の後ろ姿を見ながら、ふと思う。

きっと門脇部長が婚活パーティーに参加したら、ダントツで一番になっちゃうだろうけど、き本気で結婚するつもりはないんだろうなって。

彼が席に着くまで眺めていると、目が合う。

すると門脇部長は手をひらひらさせながら言った。

「それと仕事が手につかなくなるほど、恋愛に溺れるなよ?」

「……溺れるわけありません」
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