焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
昔からそうだった。クラスメイトに接する態度もなにもかも素敵だなって思えて、私も見習わなくちゃと思わされた。

どれだけ歳を重ねても変わらないんだ、織田くんは。

私はどうだろうか。……昔と比べて良いところも悪いところも含めて変わっている? それとも変わっていない? いや、成長できていないのかな。

だから私は、陸人に振られてしまい、七年経った今もズルズルと引きずっているのだろうか。

考え事をしながら歩いていると、織田くんは足を止めた。

「なぁ、滝本。もう一ヵ所行きたいところがあるんだけどいいかな?」

「あ、うんもちろん」

足を止めて了承すると、織田くんは「こっち」と手招きした。

「うん」

どこに連れていってくれるんだろう。

あれこれ想像しながら彼についていくと、電車を乗り継いで向かった先は町はずれの高台だった。

「大丈夫か?」

「うん、なんとか……」

急な上り坂に息が上がる私とは違い、織田くんの呼吸はまったく乱れていない。さすが毎日鍛えているだけある。
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