焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「あ、えっと……」

しまった……となるものの、うまい言い訳の言葉が思い浮かばない。それに織田くんには陸人とのことを話しているし、別に内緒にすることはないよね?

そう思い、たどたどしく話していった。

「そうなの。……陸人と付き合い始めたのも、その……振られたのも海で。今までは海が好きで、なにかあるたびに一年中行っていたんだけど、それから嫌いになっちゃって……」

「……そうだったんだ」

私の話に口を挟むことなく聞いていてくれた彼は、そう呟いた後、真っ直ぐ私を見据えた。

「じゃあ俺、これからも滝本に大好きな海の写真を送るよ」

「えっ……?」

私もまた彼を見つめると、織田くんはすっかり日が沈んだ暗い海へ視線を向けた。

「俺も海が好きなんだ。見るたびに色々な景色を見せてくれるだろ? ……それに広くてどこまでも続いているんだって思うと、なんだってやれる気持ちになるんだ」

わかるな、織田くんの気持ち。また私も同じだから。同じ理由で私も海が好きだった。

彼と同じように海へと目を向けた。
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