焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
信じられなくて歩道ということも忘れ、アタフタしてしまう。

なに? 会いたいって。私、織田くんのこと仲の良いクラスメイトとしか思っていなかったよね?

再会してからだって一度しか会っていないし、そりゃドキドキすることはあったけど、それは織田くんがドキドキさせるようなことを言ったり、したからであって……。
“会いたい”なんて思うなんて――。

自分の抱いた気持ちが信じられなくて、落ち着かなくなる。

すると突然硬いもので頭を叩かれた。

「こら、なに道の真ん中でひとりショー開催しているんだ?」

「痛っ」

叩かれた後頭部を抑えながら振り返ると、背後には分厚い手帳を手にした門脇部長の姿があった。

「恥ずかしいやつめ」

呆れ顔で言うけれど、ちょっと待ってください。

「門脇部長もしかして今、手にしているもので頭を叩いたんですか?」

門脇部長の手帳、なかなかの厚さだよね?

信じられない私に対して、彼はシレッと言う。

「道の真ん中で通行人に迷惑をかけていたお前が悪い」

ふと周囲を見回すと、歩道には数人の歩行者の姿があった。
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