焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「それはそうかもしれませんけど……」

だからと言って手帳で叩くことないじゃない。口で言ってくれたらいいのに。

不満を伝えた私の声を遮り彼は言った。

「いいから早く会社に戻るぞ。滝本たしかこのあと商談が入っていたよな?」

「……っ! そうでした!」

先に歩き出した門脇部長の後を追いかけた。

今は織田くんのことで頭をいっぱいにしている場合じゃない。これからの商談のことを考えないと。

戻る途中、頭の中で段取りを決めながら戻っていった。



「ただいま」

疲れ切った身体で誰もいない家にたどり着いたのは、二十二時を回った頃だった。

帰りにコンビニで買ったお弁当を食べながらテレビを見ていると、ボーっとなる。

だめだ、少しずつお腹が満たされてくると眠くなってきた。

まだ化粧も落としていないし、今日は汗掻いたからシャワーも浴びないと。

眠気覚ましにキッチンで珈琲を淹れていると、テーブルの上に置いてあったスマホが鳴った。
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