焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「ちょっと待ってて」

急いでバッグの中からスケジュール帳を取り、予定を確認する。

「二週間後だよね?」

『そうだよ。どう? 行けそう?』

その日は出勤になっていないし、前後に大きな予定もない。

「うん、大丈夫行ける」

『本当? よかったー。さすがにひとりではちょっと行きづらいなーって思っていたから。じゃあまた近くなったら連絡するね』

「わかったよ」

電話を切り、手帳に“サマーフェスタ”と書き込んだ。

そして珈琲を飲みながら、スマホでサマーフェスタについて調べると、なにやら楽しそうな記事ばかり目に留まる。

それに自衛官が丁寧に質問に答えてくれたり、案内してくれたって書いてある。本当に間近で織田くんの働く姿が見られるかもしれない。

そう思うと居ても立っても居られなくなり、この前送られてきたメッセージへの返信はきていないけれど、文字を打ち込んでいく。

【こんばんは。お疲れ様です】

……ん? なんかちょっと業務連絡っぽいかな。いや、でも実際に仕事をしていて疲れているだろうし……。

ウジウジ考え、悩みながら続けてメッセージ文を打ち込む。
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