僕に君の愛のカケラをください
「ご心配かけてすみません。変質者じゃなくて、その,,,犬、なんです」

「犬?噛まれたのか?」

それにしては、包帯などしていない。足とか見えないところを噛まれたか?

だか、足を引きずっている様子などは見られなかった。

蒼真は顎に手をあてて考えている仕草をしている。

「蒼真さんは想像力が豊かですね」

「そうか?」

葉月の言葉に蒼真は首を傾げる。そんなことを言われたのは初めてかもしれない。何も考えずに無心になることで自分を守ってきた。

葉月のこととなるとどうしてこうも想像力が豊かになるのだろう。自分でも不思議だった。

「子犬を,,,拾ったんです」

葉月は恥ずかしそうに、でも苦し気に昨日から今日起こった出来事を蒼真に説明した。
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