僕に君の愛のカケラをください
昼休み、葉月と蒼真は保健所の動物保護課に来ていた。
「そうかい、あんたが引き取ってくれるならこいつも安心だろう。何しろ獣医の娘で、子犬の世話をした経験があるなら譲ってはいけない理由がない」
一郎と姫はすくすくと成長しているが、ジロウは口からミルクを飲もうとしないからか、やはり元気がないらしい。
なんとか昨晩は、チューブからミルクを与えられて命を繋げてもらったことに葉月は安堵した。
獣医の診察によると、こだわりが強いだけで内臓などには特に問題は無さそうということだった。
もちろん、大きくなるにつれてわかってくる病気もあるから油断はできない。
「小さいな」
まだ目の開いていない子犬を初めてみた蒼真は、珍しいものでも見るかのようにまじまじとジロウを見つめた。
「生後14日くらいで目や耳が開いてよちよち歩きができるようになるんですよ。それまでは基本的に飲んで寝ての繰り返しです」
葉月は、香川から渡された譲渡書類に必要事項を記載すると、ジロウを受け取り、持参した段ボールにそっと移した。
段ボールにはタオルを敷き、保温ができるようにしている。
「獣医先生が言ってたが、口からしっかり飲めるまではチューブを入れっばなしにしといてってさ。飲めるようになったら抜いて,,,って、まあ、君なら親父さんに聞けばわかるか」
万全な体制で迎え入れられることになったジロウの行末に安堵した香川はガハハと豪快に笑った。
「二日間ジロウを見捨てずに面倒見て頂いてありがとうございました。一郎と姫のことよろしくお願いします」
葉月と蒼真はジロウが眠る段ボールを抱え、香川と動物保護課の職員に挨拶をして保健所をあとにした。
「そうかい、あんたが引き取ってくれるならこいつも安心だろう。何しろ獣医の娘で、子犬の世話をした経験があるなら譲ってはいけない理由がない」
一郎と姫はすくすくと成長しているが、ジロウは口からミルクを飲もうとしないからか、やはり元気がないらしい。
なんとか昨晩は、チューブからミルクを与えられて命を繋げてもらったことに葉月は安堵した。
獣医の診察によると、こだわりが強いだけで内臓などには特に問題は無さそうということだった。
もちろん、大きくなるにつれてわかってくる病気もあるから油断はできない。
「小さいな」
まだ目の開いていない子犬を初めてみた蒼真は、珍しいものでも見るかのようにまじまじとジロウを見つめた。
「生後14日くらいで目や耳が開いてよちよち歩きができるようになるんですよ。それまでは基本的に飲んで寝ての繰り返しです」
葉月は、香川から渡された譲渡書類に必要事項を記載すると、ジロウを受け取り、持参した段ボールにそっと移した。
段ボールにはタオルを敷き、保温ができるようにしている。
「獣医先生が言ってたが、口からしっかり飲めるまではチューブを入れっばなしにしといてってさ。飲めるようになったら抜いて,,,って、まあ、君なら親父さんに聞けばわかるか」
万全な体制で迎え入れられることになったジロウの行末に安堵した香川はガハハと豪快に笑った。
「二日間ジロウを見捨てずに面倒見て頂いてありがとうございました。一郎と姫のことよろしくお願いします」
葉月と蒼真はジロウが眠る段ボールを抱え、香川と動物保護課の職員に挨拶をして保健所をあとにした。