僕に君の愛のカケラをください
小学校、中学校の運動会は、先生達と一緒にお弁当を食べた。

コンビニ弁当ばかりだったが、時々は心配した担任がお弁当を分けてくれたりした。

友達はそれなりにできたが、幼稚園にも保育園にも通っていなかった蒼真は、そこで習うはずのお遊戯や歌を知らない。

残酷な子供達はそんな蒼真を馬鹿にして仲間はずれにした。

独りぼっちは慣れている。

自分が周りの子供達とは違うことを、蒼真は嫌でも実感していった。

「高校一年のときに靖晃と知り合った。あいつだけが俺を馬鹿にしないで対等に扱ってくれた」

蒼真は淡々と言葉を繋ぐ。

それを見つめる葉月の両目には溢れんばかりの涙が浮かび上がっていた。
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