僕に君の愛のカケラをください
「葉月ちゃん、ドライブスルーに寄っていかない?これから準備するの大変でしょ?」

葉月のマンションに向かう車のなかで、大亮がそんな気の利いた発言をしてくれた。

「えっ?いいんですか?私、ハンバーガーが食べたいです」

「あー、美味しいよね。僕はベーコンレタスとチーズバーガーが好き」

「奇遇ですね。私もですよ」

料理は好きだか、たまには楽をしてB級グルメも食べたくなる。

「僕達気が合うね」

「そうですね。食べ物の趣味や動物好きは一緒ですね」

葉月がそう言うと、大亮は嬉しそうにハンドルを切ってドライブスルーのレーンに車を進めた。

二人とも頼むものはいつも同じらしく、すんなりと注文が進んだ。

「ありがとうございます。自宅でゆっくりと食べますね」

「そうするといいよ。そして早くお風呂に入って少しでも多く眠ってね」

大亮はとても優しくて気が利く。口数の少ない蒼真とは正反対だ。

「そんなに甘やかすと、私がダメダメな人間になっちゃいますよ?」

「僕は好きな子は思いっきり甘やかしたいんだ」

「奇遇ですね。私もです」

小さな声で呟いた葉月に

"えっ?"

っと大亮が聞き返したが、

「何でもないです」

と葉月は笑った。

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