僕に君の愛のカケラをください
「蒼真のお母さんが入院している病院だ」

靖晃は、タブレットを開いて、病院のホームページを蒼真に見せた。

「意識が朦朧としていて、会うなら今が最後のチャンスだろうって」

靖晃が気遣わし気な顔で蒼真を見つめる。

急な展開で頭がついていかない。

葉月が蒼真の体をギュッと抱き締める。蒼真は無意識に葉月の腕を握り返していた。

「蒼真はどうしたい?」

靖晃の言葉を耳では受け止めても頭が思考を停止する。

母親といた頃は、蒼真はいつもそうやってやり過ごしてきたのだ。

「蒼真、私も一緒に行くよ?」

蒼真は涙を浮かべて葉月を見つめた。

「心にケリをつけよう。そして自由になろう」

蒼真は泣きながら頷くと、葉月の胸に顔を埋めた。

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