僕に君の愛のカケラをください
「さて、僕が言いたいことはこれだけです」
八代は姿勢を正して言った。
「お母さんの鈴さんがこの写真を大切に持っていたこと、孝之助さんとは連絡を取っていて、節目ごとに蒼真さんの成長ぶりを確認していたこと、その二つは知っておいてほしい」
蒼真は、葉月に繋がれた手をギュッと握った。
「もう、ほとんど鈴さんは意識がない。会うか会わないかは蒼真くんの自由です」
葉月は、蒼真の手を掴んで立ち上がった。
「行こう。蒼真」
これで生きている母に会えるのは最後かもしれない。
しかし、この23年間、母に対して会いたいという、プラスの感情ばかりだったわけではない。
恨んだり、罵ったりそんな負の感情だって持ち続けてきたのだ。
「いいんだよ。どんな気持ちも本当の思いだ」
八代が蒼真の肩を叩く。
蒼真は顔をあげて歩き出した。
八代は姿勢を正して言った。
「お母さんの鈴さんがこの写真を大切に持っていたこと、孝之助さんとは連絡を取っていて、節目ごとに蒼真さんの成長ぶりを確認していたこと、その二つは知っておいてほしい」
蒼真は、葉月に繋がれた手をギュッと握った。
「もう、ほとんど鈴さんは意識がない。会うか会わないかは蒼真くんの自由です」
葉月は、蒼真の手を掴んで立ち上がった。
「行こう。蒼真」
これで生きている母に会えるのは最後かもしれない。
しかし、この23年間、母に対して会いたいという、プラスの感情ばかりだったわけではない。
恨んだり、罵ったりそんな負の感情だって持ち続けてきたのだ。
「いいんだよ。どんな気持ちも本当の思いだ」
八代が蒼真の肩を叩く。
蒼真は顔をあげて歩き出した。