ONE〜想いは一つ〜

『姉さんへ
勝手な事してごめんね。
けど、こうするしかなかったの。
私、このまま家にいたら、お見合いさせられそうだから、家出します。
家出する年じゃないけど、
お父さんは、頑固だから負けそうなの。
勝手な事してる事は、分かってる。
もう、家には帰りません。
あ、姉さんも好きな事してね。

あ、病院には何も言わずだから、その退職届持って行ってくれると助かります。

よろしく!(>人<;)」

な、なにぃ!
家出って、30にもなって何が家出よ。
しかも、この顔文字何よ!

私に病院に行けって、勝手な事ばっかり!


♪♪♪♪

机の上で携帯が鳴る。
夏帆、携帯まで置いて行って…完全家出じゃない。

ディスプレイには


『東和総合病院 救急救命センター』

夏帆の勤務先じゃない。
血の気が引いた。
どうするの?これ。

出ようか、出たらややこしくなるかな。

悩んでいる間に電話は切れた。
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