ONE〜想いは一つ〜
よかった。
…よかった、じゃないよ。
言いに行かなきゃ迷惑をかけるよね。
…と、思っていたらまた電話が鳴った。
『東和総合病院 救急救命センター』
また。
もう、勤務交代の時間だからだよね。
恐る恐る、意を決して出た。
「はい」
「やっと出た。何やってんのよ!夏帆!あなた準夜でしょ?あなた来ないと私が帰れないんだから、早く来なさいよ!」
ガチャッ!!
誰だろう。
夏帆の勤務先の人で、知ってるのって由香里ぐらいよね、確か。
けど、由香里じゃなかったよね、今の電話。
どうしよう。
と、とりあえず、病院に行こう。
私は慌てて、夏帆が書いた退職届と夏帆の携帯を持って病院に向かった。