ONE〜想いは一つ〜
大事なものを見逃さないで…

本心だった。
夏帆が好きなら、夏帆と一緒になってほしかった。
同じ顔でも、私と夏帆は違う。

父に負けてほしくなかった。

「佳織…」

「私は本気よ。前から思ってた事だし」

私の決心が分かったのか、広樹さんは笑いながら、

「佳織の頑固は夏帆と同じだな…、俺も夏帆の事を諦めるつもりはないし、佳織が戻ったら辞めるつもりだったんだ…でも、戻らないと言われたら、もう決断するしかなさそうだな」

「そうね。夏帆は広樹さんの所にいるの?いるなら、言っといてくれる?病院ぐらいちゃんと辞めなさいよって」

「夏帆は俺のマンションにいるよ。佳織に迷惑かけたって言ってたけど…、確か、夏帆の病院って東和総合だったよな?関係あるのか?中元と」

ギクッ
突っ込まれたら、後々大変だわ。

「う、そ、そうだね。広樹さん、実はね…」

私は、広樹さんに今の現状をざっくりと説明した。

広樹さんは驚きというより、呆れてた。
医療から離れるって言ってガッツリ関わってんじゃん!って。

だけど、なんかあったら、フォローはしてくれるって。さすが、広樹さん。

夏帆の事を頼んで私は駐車場に向かった。
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