ONE〜想いは一つ〜
中元先生の車に乗った私は、バックと妹さんへのプレゼントを助手席に置いた。バックから財布を取り出そうとした。その時、携帯のランプが光っているのに気がついた。

あ、マナーモードだったっけ?

そう思いながら携帯の着信を確認した。

嘘…
何これ…

着信10件ってないでしょ?

広樹さんとそんなに話し込んでたっけ?また何を言われるか分かったもんじゃない、私はエンジンをかけて早々に駐車場を出た。



私が駐車場を出た頃、病院ではもう処置が終わってかなりの時間が経っていた。

「おい、一哉。珍しいなそんか格好でモールとか。デートか?」

「は?な、何言ってんだよ。買物だよ、買物!」

同じ救命医師の谷本悠から、普段しない格好をいじられていた。

南條のやつ、何やってんだよ!早く来いよ!
一哉の焦りも、次第に大きくなってきていた。

処置が終わってから、何度も電話をかけても出る気配のない、佳織の到着を待っていた。

まさか、あの車で家に帰ったのか?
ははは、まさかな。

その時、一哉の前に救急隊の岡田がやってきた。

「中元先生、今日はありがとうございました。我々も助かりました。あの、もう一人の先生にもよろしくお伝え下さい」

「ん、あぁ。当たり前のことだからな…って、もう一人の先生?いや、あいつはナースだぞ?」

「え?そうなんですか?てっきりDrだと…じゃ、よろし…」

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