ONE〜想いは一つ〜
どこまで走ったのか、明らかに私の家ではない方向に車が向かっているのが分かった私は、ハンドルを握る中元先生に声をかけた。

どこに向かってるのか…と。

「先生、どこに行く気ですか…」

「ん?あぁ、俺ん家だ」

「へぇ…先生んとこですか…って!なんでそうなるんですか!私は家に帰りたいんですけど!」

「まだ話は終わってないだろ。話が出来るならお前の家でもいいけど?」

開いた口が塞がらないとはこの事だ。
あうあうと私は、究極の選択を迫られた。
話が出来る店とかではなく、私の部屋か、中元先生部屋だなんて…

ボソッ

「やっぱり…横暴王子…」


「…あ?なんだって?」

「横暴すぎます!」

反論したけれど、結局許してはもらえず。
私は、安全があるかもと、自分の部屋を指定した。

そして…

「へぇ…綺麗にしてんだな。案外」

私の部屋に入った中元先生は、一回り部屋を見渡すと、綺麗にしている感心していた。

「まぁ、一応女ですので…」

ハッ…しまった。

自分の部屋が安全だと思い、部屋を指定したけれど、女の部屋に男を入れるなんて…
自分から誘っているようなもんじゃない。

「おい。コーヒーは淹れてくれないのか」

「あ、は、はい。そこに座ってて下さい」

中元先生に促され、我に返った私は慌ててコーヒーを淹れ準備にかかった。
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