ONE〜想いは一つ〜
救命での経験を疑われ、詰め寄られた私。
きっと、挙動不審だったに違いない。

だけど、これ以上どうするわけにもいかず。

「ちゃんと仕事してくれてたから、それでいいんだけどな。入職して1ヶ月だろ、看護師としての力量は申し分ないと思っていたんだ。ただ、救命で働くにはもっと必要な事があるから、それに追いつくのがいつになるのか、気になっていたんだ。そしたら急に…だろ?だこら、やっぱり経験あったんじゃないか、って思ったんだ」

夏帆の仕事ぶりを認められていた事が、自分の事のように嬉しかった。

よかった、ちゃんと認められてたんだ。

「ありがとうございます。その場に慣れるのに、時間がかかったかもしれませんが…。だけど、由…志水さんからも話を聞いたりしてたので、早く流れが読めるように努めました」

「そうか…ならいいんだ。あと一つ気になる事があるんだ。聞いていいか?」

「なんですか?」

「…いや、やっぱりいい。悪かったな、今日は帰るよ。お疲れ」

「へ?」

バレたと覚悟した私の予想を超えて、中元先生は帰って行った。

部屋に一人残された私は、へなへなとその場に座り込んでしまった。

「なんなのよー!」
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