ONE〜想いは一つ〜
私を夏帆と呼ぶ、その看護師さんは私を引きずって病棟に連れて行った。
誰?もう、私は夏帆じゃないって!
容赦ない、その看護師さんは、1人でしゃべるだけ、しゃべって、
「早く着替えて!中元先生に気付かれる前に着替えて!」
そう言って更衣室に、放り込まれた。
ど、どうしよう。
出て行けないよ、違うって、言っても信じてもらえなさそう。
今の段階で、無理なんだもの。ヤバいよね。
とりあえず、着替えようかな。
夏帆のロッカーを探す。
ぐるっと、回って【南條♪】とプレートがかかってるロッカーを見つける。
諦めるしかないか。
今日だけでも、乗り切ろうか。
そう思って、夏帆のナース服に着替えた。
ふぅ。
ちょっと胸が苦しいかな。
けど、案外似合ってる?私。
初めて着るナース服に、少しテンションの上がる私。
ナースもよかったかな?なんて思いながら…
夏帆が、荷物を置いてくれてて助かった。
ん?
なんで助かったのよ。
違う違う。
とりあえず、着替えた私はナースステーションに向かった。
確か、こっちだったよね。
キョロキョロしながら、歩いていたら白衣の人とぶつかった。
「あ、すみません」
極力、人と関わらないようにと、ナースステーションに向かおうとすると、その白衣の人から話かけられた。