ONE〜想いは一つ〜
「南條!」

呼び止められて振り返ると、そこに中元先生が立っていた。

「っ、先生…ど、どうしたんですか?」

あの日以来、まともに話す中元先生だった。

「あと少しで、勤務が終わる。話があるんだ…家に行ってもいいか?」

真剣な顔つきで、いつもの冗談やからかいは見られなかった。
話って…?

「は、話ですか?ここじゃダメなんですか?」

二人きりは避けたかった。
またあんな事になったら…避けられない。

「悪い、誰にも聞かれたくないんだ…。家が嫌だったら、店でもいいから。連絡するから待っててくれ」

私の返事も待たずに、中元先生は処置室に戻って行った。


ど、どうしたらいいんだろう。
部屋じゃなくてもいいんだったら…
話ってなんなんだろう。この間の事?

先生がいなくなったその先を見つめながら、その場に立ち尽くしていた。
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