ONE〜想いは一つ〜
南條佳織ですと、頭を下げると、中元先生も、他のスタッフもびっくりしていた。

「驚かれるのは無理ないかと…、私達双子なんです」

「…君…だったのか?…」

双子だと言うと、どこからか声が聞こえてきた。
私だったのか…

「じゃ、私は失礼します」

声の主を探してはいけない。
きっと、言ったのはあの人だから…
早くここから立ち去らないと。

「待って…」

帰ろうとした私の腕を中元先生が掴んだ。

「あ?あの?」

「あ、すまない。あんたの腕は確かだった。救命は長いのか?」

あんた…って、相変わらずな話し方。笑っちゃう。

「え、ええ。都立高度救命センターで6年やってました」

「都立高度救命で…そうか、処置の早さに感心したよ、さすがだな。女にしておくのがもったいないな」

女にしておくのがもったいない?
なんだか、カチンときた。

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