ONE〜想いは一つ〜
な、何言ってるの、私。
無理って言いなさい…
「お疲れ様で〜す。夏帆頑張ってね〜」
「あ、うん。お疲れ様でした」
ヒラヒラと手を振りながら帰る、その人(私を更衣室に放り込んだ人)にお疲れ様です、と挨拶をした。
だから、誰よあれ。
こんなんで私、一晩乗り切れるのかな。
とりあえずの申し送りは聞いたけど、ここが救命センターでよかったと思った。
救命だから、入院が長い人はいない。
そこは助かった、と。
けど、入院してる人もいる訳で、担当の先生がいる訳で。
うーん。
しかも、どこに何があるのか、さっぱり分からない。当たり前だよね。
頭がグルグルする。
うー、由香里。今日出勤じゃないの?
一応、その辺にあるファイルを取って見てみる。
今、入院しているのは、4人か。
一応、4人の状態を把握しようと思ってカルテを読んでいた。
1人目、2日前に救搬された35歳 男性。 階段から転倒、頭部外傷か、この分じゃ外科のベッドが空いたら移りそうだ…
グイッ
「ちょっとあんた!なにやってんのよ!」
「え?あ、あぁ、由香里!」
私達姉妹の共通の友人、志水由香里に腕を引っ張られていた。