雨垂れの恋
思わず吹き出してしまう。
「……すみません、お願いします。」
「何それ、あなたの方が面白い。」
「……そ、そうですか……」
脱力。
「ええと、俺は小野夏輝です。
西高の二年です。」
「あ、同い年なんだね。
私は木島琴美です。
南高の二年です。」
「これでお互い大丈夫だね。」
「そうだね。」
「……じゃあ、行こう。」
「……うん」
今までだって付き合ったことはあるけれど、こんなに緊張したことはなかった。
いわゆる、相合傘なんてこともやった事がある。
同じことをしているはずなのに、こんなに緊張するのはどうして。