雨垂れの恋
ちょうど半分くらい終わったところで外を見ると、雨が上がっていた。
「やった、帰ろう。」
社内には私以外に誰もいないから、荷物をまとめて電気を消して部屋を出る。
「……失礼します」
誰もいないけれど、習慣的に言ってしまう。
エレベーターに乗り、玄関に着くと、また雨が降っていた。
「……嘘でしょ。」
思わず呟いてしまう。
でも今からもう一度仕事をするのは嫌だ。
コンビニにでも走っていって傘を買っていけばいい。
しょうがない、走るか。
「……あの、傘、使いませんか?」
「……え?」
「傘、ないと風邪引きますよ。」
「コンビニまで走ればいいんで……」
誰だっけ、この人、一緒に仕事をしたことがある。
確か、同期の風間さん。
「」