アリス道
「怖いよぉ…」





喋る兎なんて聞いた事ないし…

なんか怖い…






「お姉さん泣いてばっかだね」



「…ひどぃ…」





私は泣き目で兎を睨んだ





「ハハ…涙目で睨んだってちっとも怖くないよ」



「なっ!!」





なんなのこの兎…!




なんというか…性格悪っ!!!!







「…で、あんた誰なの?」



「わ…私?」



「しかいないでしょ?泣き虫な上に馬鹿なんだね」





ハァァァアア!?




好き放題言われてる!!




「私は…杏…仲村杏だよ」



「ふ~ん…どこの人?」



「ど…どこって…わかんないよぉ…ここ何処…?」



「…着いてきて」

「へ?」





兎は私に背を向けてどこかへ歩いて行った。





着いてこいって言ってたけど…

どこに行くんだろう…




「あ…ま…待ってよぉ…!!」





とりあえず私は見知らぬ不思議な兎に着いて行くことになった



どこに行くか分からない


だけど一人でここにいるよりはマシだよね?
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