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「あっ!あなたがっ…」

俺はつい大きい声を出してしまい
廊下は一瞬静寂に包まれた

二村さんは困った様子で

「あの、何か…?」

俺はこの機会を逃すものかと思い
咄嗟に自己紹介をした

「あの、俺、武藤 洸って言います
Sクラスの、新入生です
二村、紫乃さんですよね…?」

「そうですが...」

俺はそこで一時停止した
偶然会ったはいいが
何も用はない
ただ認知していただけだった

「あの、あなたは…?」

二村さんは怪訝そうに俺の顔を覗き込んだ

「武藤 洸といいます
好きなものは抹茶です」

自己紹介は得意だ
なぜだか分からないが
抹茶はいう必要あったのだろうか

「武藤…あ、あの1番の…」

どうやら俺は有名人らしい

「えっと、二村さんはハーフで、帰国子女と
お聞きしたのですが、本当にそれだけですか?」

話題を検索した結果
口をついてこの質問が出た
我ながらストレート
まぁ、友達になりたいとか思ってた訳では無い
だから別に嫌われても 構わないが

「それだけ、とは?」

「例えば、親御さんが通訳者だとか
英語の教師だとか…」

二村さんは少し悩んだ後

「一応、母が国家公務員です
アメリカの」

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